大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和23(れ)2036 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人小林右太郎の上告趣意は末尾に添附した別紙書面記載の通りである。

弁護人小林右太郎上告趣意について。

しかし、憲法第三七条第一項に所謂公平な裁判所の裁判というのは、其組織構成

等について偏頗のおそれのない裁判所の裁判という意味であつて、個々の事件につ

いて、法律の誤解又は事実の誤認等により、たまたま被告人に不利益な裁判がなさ

れても、それが一々同条にふれる憲法違反の裁判とはいい得ないという事、並に憲

法第三七条第一項の規定を以て、刑の言渡が公正妥当でない場合には刑訴応急措置

法第一三条第二項の規定にかかわらず、上告を許した趣旨であると解することはで

きないという事は、当裁判所の判例とするところであつて、今これを改める必要は

認められない。(昭和二二年(れ)第一七一号事件同二三年五月五日判決言渡昭和

二二年(れ)第一三八号事件同二三年六月九日判決言渡参照)そして原判決によれ

ば、被告人は昭和二二年三月二四日岡山区裁判所において、窃盗罪により懲役一年

に処せられ、四年間刑の執行を猶予せられ其期間中であるにかかわらず、重ねて判

示窃盗及び贓物牙保罪を犯したのであるから、被告人に対し懲役十月及び罰金千円

に処した原判決を目して不公平であるとか苛酷であるとはいい得ない論旨は結局当

裁判所の判例の変更を求め、これを前提として原判決を非難することに帰着するが、

前述の通り判例変更の必要を認めないのであるから、論旨は採用できない。論旨は

理由がない。

よつて旧刑事訴訟法第四四六条により主文の通り判決する。

以上は裁判官全員一致の意見である。

検察官 長谷川瀏関与

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昭和二四年五月一七日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

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